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藪の中-Distruthted-(ゆがみ)

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About

この作品は、2005年から取り組み始め、2007年にモントリオールとトロントの両フリンジフェスティバルにて22公演上演。全て満席、素晴らしい劇評、ベストアンサンブル賞も受賞するという快挙を果たすことができました。2008年には東京の世田谷パブリックシアター(シアタートラム)にて、5回の日本公演、600人以上の観客の皆さんに楽しんでいただくことができました。この公演は、ハーツユナイテッド、カナダアーツカウンシル、日本カナダ基金、モントリオールケベック大学の支援によって成り立っています。

あらすじ
山科に向かう街道の薮の中で、悲惨な暴行と殺人事件が起こった この事件に直接あるいは間接的に関わる7人が、何が起こったのかを証言していく しかし、7人の証言は異なるばかりか、矛盾している 木こり、旅の僧侶、警察官、乳母、殺人の罪で追われる悪党 辱められた女、そして殺された男 ( 霊媒が語る )… いったい誰を信じればよいのか。 真実は薮の中。
アユリと藪の中
3年前、アユリテアトルとして初めて日本を訪れた際、日常の端々で “秩序正しい混沌” というものに出くわし、衝撃をうけた。いつ「はい」と言い、いつ「いいえ」と言うべきか。どこで「はい」が「いいえ」 を意味するようになるのか。どのようにそれを察すればよいのか。そんなことを思いめぐらせていたとき、春菜がいくつかの短編を持ってきた。その中のひとつが、芥川龍之介の『薮の中』という素晴らしい物語だった。 それはとてもシンプル、かつ “相対性” “主観性” の示唆に富んでいた。誰が正しく、誰が間違っているのか、どうすればそれがわかるのか。もしかしたら、みな正しいのかもしれないし、答えは決してわからないのかもしれない。 最も大切なのは、“他者” をわかろうとすることではなく、自分自身が他者や周りの世界をどう受け止めているか、を知ることなのではないだろうか。
すべては移り変わる。“誰が正しいのか” が少しずつ変わっていき、“彼らがどのように正しいのか” になってゆく。 様々な文化が複雑に混じり合い、生活基盤の違いが大きな摩擦を生み出しかねない現代において、このストーリーの重要性は計り知れない。

演出:マチューシュイナー
創作、出演:エドヴィッジバージ、マチューシュイナー、近藤春菜、ダンワトソン、ヨハンウェスタグレン
協力:ヴィッキーグレニエー(カナダ)、マルゴオリボー(カナダ)、近藤隆雄(日本&カナダ)、高橋圭(日本)、竹野木綿(日本)、近藤和子(日本)、伊藤龍彦(日本)、前田真宏(日本)
カナダアーツカウンシル、ハーツユナイテッド、カナダ大使館

Montreal, QC
2007年6月9-19 モントリオールフリンジフェスティバル
Toronto, ON
2007 6月5-15, トロントフリンジフェスティバル
Tokyo, 日本
2008 April 3-6,
Setagaya Public Theatre

アユリテアトルの役者たちは、日本の技術も取り込んだ、すばらしい身体演劇を見せてくれる。” Sylvie Saint-Jacques“La Presse”誌(モントリオール)より

アユリテアトルのすばらしい5人の役者たちは、小さな演技スペースを上手く使ったこと以上に、充実した雰囲気創りを可能にしたそのキャパシティーの大きさで観客を魅了してくれる。” Fabienne Cabado“Le Voir”誌(モントリオール)より

藪の中―ゆがみ―
評価:★★★★(4/5)
黒澤明の名作映画『羅生門』の原作となった文学作品をもとに、他に類を見ない独自のパフォーマンスを創りあげた。作品は音楽、日本の舞踏、マイム、そして4ヶ国語(英語・フランス語・日本語・スウェーデン語)を織り交ぜ、真実を探究し、人々の主観性を暴いていく。
殺人、強姦、幽霊などの様々な描写を表現するべく、役者たちは身体的にも、感情的にも役になりきり、演出のマチュー・シュイナーは、上演スペース(なんと駐車場! )や、夕暮れ時から闇へと移り変わる自然光を生かした照明、そして最小限におさえた小道具類などから最大限の効果を得た。
Glenn Sumi “Now Magazine”(トロント)より